印刷会社になにかの印刷を頼もうと思った時、初めての人はいくつか戸惑うことがあると思います。

例えば、
入稿の時はPDFで大丈夫かな　やっぱりイラレのほうがいいのかな（イラレの方がいいです）、
イラレで入稿したいって思ったけどアウトライン化ってなんじゃ、
トンボって何？私の作ったやつにはそんなの作ってない、
オフセット印刷とオンデマンド印刷って違うの？

やあまあいろいろ出てくる出てくる笑
発注したいだけなのになんでこんなに分からん言葉出てくるねんみたいな笑

でもそれってすてきな印刷物を発注しようとしている証拠。
そんなにこだわりが無かったら安けりゃいいですもんね。

ここでは、オンデマンド印刷とオフセット印刷について分かりやすくまとめました。

オンデマンド印刷

オンデマンド印刷とは

オンデマンド印刷は、版を使わず印刷をする印刷手法です。

オンデマンド印刷では、高速デジタル印刷機で印刷されます。「オンデマンド」とは「必要なものを、必要なだけ、必要なときに」という意味を持ちます。

オンデマンド印刷のメリット

少部数の印刷に向いている

オンデマンド印刷は製版する必要がないため、少部数の印刷でもコストを抑えて印刷することができます。

1部からでも発注することができるので、必要なときに必要な数だけ印刷できます。

納期に時間がかからない（短納期）

オンデマンド印刷は版を使わず印刷をする印刷手法なので、データ入稿後すぐの印刷が可能です。製版の時間もインクを乾燥させる時間も必要ないので、短納期で対応してもらうことができます。
発注から納期まで1日で終わることもあります。

内容が一部異なるものを連続した印刷に向いている

「イラストの一部分だけ変えて複数パターンを印刷をしたい」
「数字を1文字だけ変えて連続で印刷したい」
というのにオンデマンド印刷は向いています。

オンデマンド印刷のデメリット

枚数が増えるとコストがかさむ

オンデマンド印刷は、印刷枚数が増えるほどコストが高くなります。
版を作らずに印刷する分、多くなると手間がかかるんですよね。
納期と枚数によってはオフセットのほうが安くなる場合もあるため、見積もりをきちんととって比べることが必要です。

黒のテカリが目立つかも

グレースケールやモノクロ印刷の場合、オフセットと比べて分かりやすいのが、黒インクのテカリです。
印刷する用紙によってはこの黒インクのテカリは顕著のようです。
特に黒色で塗りつぶされた部分が多いと目立ちやすく、ずっとオンデマンド印刷の欠点とされて認識されています。

でも、近年ではマットなオンデマンド印刷が可能な印刷会社も増えてきました。

もし、「オンデマンド印刷がいいけどてかるのは嫌だ」という方は、オンデマンドに力を入れている印刷会社を選ぶといいでしょう。

オフセット印刷と比べると剝がれやすい

オンデマンド印刷には、「色が剥がれやすい」というデメリットもあります。

机にチラシを置きっぱなしにしていたら、べりべりとくっついてしまって、はがすと机に色がついてしまった　という経験はありませんか？あんな感じです。

オフセット印刷とは

オフセット印刷とは、版を使用した印刷方法です。

「オフセット」とは「付けて離す」という意味です。
版のインクを直接紙に転写するのではなく、一度版に塗られたインクをブランケットに転写（オフ）してから紙に印刷（セット）します。

消しゴムハンコを重ね押しで表現するときの方法に近いです。↓

（年賀状にも！消しゴムハンコ「お正月ダルマ＆初日の出」の作り方より）

１つ版を作ってさえしまえば、後はじゃんじゃか押していくだけ、という感じですね。

オフセット印刷のメリット

大部数（数千枚～）の印刷はコストダウンできる

オフセット印刷は版を用いて印刷するため、大量に印刷する場合はコストを抑えることができます。
また、版を作ってしまえば繰り返し使用することができるので、再度同じ印刷をすることができます。
どれだけ印刷部数が増えても、コストが大幅にかわることはありません。

数千枚以上という大量の印刷が必要な場合は、オフセット印刷がいいでしょう。

高品質な仕上がり

オフセット印刷は、インクが紙にしっかりと密着するため印刷の仕上がりが高品質というメリットもあります。
細かい部分まで鮮明に表現することができ、小さな文字でもにじむことがないため　見やすい印刷物を作ることができます。
また、いわゆる特色（金色、蛍光色等）を使用できます。

オフセット印刷のデメリット

少部数の印刷だと高くなる

オフセット印刷で少部数印刷を依頼すると逆にコストが割高になります。
そのため、あまり少ない部数（100部未満ぐらい）での印刷依頼は受付不可という印刷会社もあります。

オンデマンド印刷と比べて納期に時間がかかる

版を作る時間とインクを乾燥させる時間が必要であるため、オンデマンド印刷よりも仕上がりに時間がかかります。
それでも、納期を遅く設定すれば料金は安くなります。もう入稿できる状態なら、早めに枚数と納期で見積もりをしたほうがいいでしょう。

それぞれに向いている印刷物

では、それぞれどんなものを印刷するのに向いているのでしょうか。

オンデマンド印刷に向いている印刷物

オフセット印刷に向いている印刷物

以上がオンデマンド印刷とオフセット印刷についてでした。

自分が何を優先させて入稿・印刷したいのかを見極めてから決めるとスムーズでしょう。
印刷会社によっては、オフセット印刷・オンデマンド印刷それぞれの感じを細かく解説してくれていたる、サンプルを送ってくれたりするところもあります。
素敵な印刷物を作るためにも、最後まで抜かりなくしたいものですね。